相続時精算課税のメリット・デメリット 何を贈与すればいいの?

 

photo credit: Images_of_Money via photopin cc

photo credit: Images_of_Money via photopin cc

前回の記事「相続時精算課税を利用して不動産を生前贈与したい?ちょっと待って。」という記事を書きました。

記事を読むと、「相続時精算課税には全然メリットがない」と思われるかもしれませんね。

ただ、やはりこういった制度があるということは、上手に使えばメリットがあります。もちろん、その反対にデメリットもありますが。

あなたが生前贈与で不動産の名義を変更するために司法書士に相談に行かれる前に、不動産を生前贈与するケースのメリット・デメリットを検討してみましょう。

相続時精算課税のメリット・デメリットを確認

相続時精算課税のメリット

  • 自分の意志で財産を移転できる
  • 収益性の高い物件を移転して相続財産の増加を防げる
  • 値上がりする可能性のある財産を移転して将来の相続税の負担を抑えることができる

といったところが挙げられます。

相続時精算課税のデメリット

  • 暦年贈与に戻れない
  • 贈与財産の評価が下がっても、贈与時の評価で相続税が課される
  • 不動産の贈与の場合、不動産取得税がかかる
  • 小規模宅地の特例を使えない

といったところでしょうか。

例えば生前贈与で自宅を贈与したら

093131

それでは、自宅の土地建物を相続時精算課税制度を利用して生前贈与するとどうなるでしょうか?

実際に、司法書士への生前贈与の相談で多いのは、「自宅不動産を贈与したい」というのがほとんどです。

この場合、前回の記事に書いたように、登記にかかる登録免許税は贈与のほうが5倍高く、その上、生前贈与では不動産取得税もかかります。

生前贈与による方が相続より手続きに費用がかかってしまいます。

さらに、自宅の不動産のうち、建物の評価は徐々に下がっていきます。相続時精算課税では、贈与した時の建物の評価を相続税の評価とします。だから、相続時の建物の評価より高い評価で相続税の計算をします。

土地はどうでしょう?

土地は、小規模宅地の特例といって、相続時に土地の評価の一定割合を減額する制度があります。しかし、相続時精算課税制度を利用すると、この土地の評価を下げる制度が使えません。そのため、高い評価で相続税の計算をしないといけません。

こうして見ると、「税金やお金の面では、自宅を贈与するメリットはなさそう」ですね。

ただ、生前贈与のメリットである「自分の意志で財産を移転できる」というメリットは残ります。

「自宅を相続人の誰かにどうしても残したい」とか「自分の意志で生前に財産を分けておきたい」といった理由があるときは、相続時精算課税も選択肢に入ってきますね。

何を生前贈与すればいいでしょうか

020257

「相続時精算課税で不動産を贈与するのはムダでしょうか?」

そんなことはありません。

例えば収益性の高い不動産を贈与するとメリットが大きくなります。

収益性の高い不動産を贈与すれば、贈与した後は、不動産から上がる収益は贈与を受けた人のものになります。

そうすることで、贈与した人の財産の増加を防ぐことができ、相続税の節税になります。また、贈与を受けた人は、収益を受け取ることで、相続税の資金を作ったり、その他の資金に充てたりすることができます。

このケースでは、手続費用や不動産取得税がかかっても長い目で見ればお得なケースも多いでしょう。

まとめ

今回は相続時精算課税でも不動産の生前贈与に限定して考えてみました。

相続時精算課税を使って不動産を生前贈与したいと考えられたのには、あなたなりの理由があるでしょう。

その理由と、メリット・デメリットを比較して、事前によく検討してから司法書士に名義変更登記の相談に行ってくださいね。

あとで「しまった!」と思っても、やり直しはききませんから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket